2012年5月31日木曜日

日本顎関節症リハビリ研究室IN仙台 ★顎関節症ガイドライン



解説 解説 / 専門用語が多いので,できるだけ患者さん向けに,若い歯科医師向けに 解説とイラストを 
このホームページの川村秋夫が 補足してみます.解説
(解説)と書いてあるのは小生 川村秋夫の解説です.
解説をときどき追加修正しています.何かもっと良い解説がありましたら,メールをいただければ 参考にします


(学会誌)  補綴誌464号(2002)   597604  II.

顎機能障害(顎関節症)とは

…………………………………………………………………………13
1)
本ガイドラインの位置づけ
2) 顎機能障害(顎関節症)の定義
3) 顎機能障害(顎関節症)の類似用語
顎機能障害(顎関節症)の病態
………………………………………………………………………14
1)
主要症候
2) 随伴症状
3) 日本顎関節学会の顎関節症の症型分類
顎機能障害(顎関節症)の疫学
………………………………………………………………………15
1)
患者数
2) 年齢分布
3) 性差
顎機能障害(顎関節症)の病因と発症・増悪メカニズム
……………………………16
1)
主な発症・増悪因子
2) 発症・増悪メカニズム
顎機能障害(顎関節症)の検査法と評価
………………………………………………………16
1)
医療面接と診察
2) 下顎運動の検査
3) 咬合検査
4) 画像検査
5) 各種の機器を用いた検査
6) 関節内視鏡検査
7) 血液検査
8) 心身医学的検査
顎機能障害(顎関節症)の診断法
…………………………………………………………………23
1)
病態の診断
2) 発症・増悪メカニズムの診断

3) 予後の診断
4) 治療方針の立案
5) 暫定的な診断
顎機能障害(顎関節症)の治療法
…………………………………………………………………24
1)
顎機能障害(顎関節症)治療のアルゴリズム
2) インフォームドコンセント
3) ホームケア
4) 理学療法
5) 薬物療法
6) 初期的咬合治療
7) 咬合調整
8) 歯冠修復などによる咬合治療
9) 外科的治療
10) 心身医学的治療
11) 終診の目安
術後の管理
…………………………………………………………………………………29
1)
引き続いて患者が行うべきホームケア
2) 経過観察
文献
…………………………………………………………………………………………30 顎機能異常(顎関節症)とは 1) 本ガイドラインの位置づけ
科学的根拠に基づいた医療の重要性が指摘されているが,顎機能障害の診断や治療に関しては補綴をはじめとする多くの歯科治療や外科系の医科疾患がそうであるように,厳密な
Randomized ControlledTrialRCT)にのっとった科学的研究を行うことが困難であり,したがって,特に治療に関しては信頼できるデータベースがほとんどないのが実状である.
また,たとえば心臓外科手術後の生存率が,術式名だけをいえば全く同じ術式を採用していているにもかかわらず,
施設によって大きく差があるという現実がある.この差は手術術式の違いではなくて,
執刀医の能力をはじめとする診療体制のレベルの差によると考えられる.
Evidenceを問題にするとき,どの薬をどのように処方するかということが大きなウエイトを占める内科的治療と,
外科治療や歯科治療はおのずと性質が異なることを認識する必要がある.
RCTに基づいた最近の研究で,非復位性の関節円板前方転位症例に対して,治療を行わずに経過観察を行った群と比較して,
薬物療法やスプリントがより有効であるという結果が得られなかったという報告
があった.
このような研究結果は過剰診療に対する戒めとして真摯に受け止めなければならないが,
その一方でスプリント治療について,もしほかの施設で,あるいはほかの術者が行ったらさらに悪い結果が出ていたかもしれないし,
あるいはもっと良い結果が出ていた可能性もあるという懸念がある.
治療内容に対するテクノロジーアセスメントが十分でないと,
研究結果を左右するようなバイアスがかかることにも配慮が必要であろう.
(解説)解説 テクノロジーアセスメント  :   事前の予測評価)
(
解説 バイアス :  偏り)このようなことをすべて慮したうえで,顎機能障害の診断や治療の根拠を得るために,
RCTだけでなく良質な追跡研究(前向きコホート研究)を積み重ねて,学会をあげてデータベースを構築していかなければならない.
しかし,現実には顎機能障害の諸症状を訴えて治療を希望して来院する患者が大勢おり,エビデンスがないといって治療を放棄するわけにはいかない.

このガイドラインは,先人の臨床経験やこれまで行われた臨床の治験あるいは基礎的研究の成果から,
コンセンサスが得られているであろうという内容を整理して本学会員に提供するものであり,
将来のより望ましいガイドラインのたたき台として位置づけてもらいたい.

2) 顎機能障害(顎関節症)の定義
顎機能障害(顎関節症)は
顎関節雑音,顎関節や咀嚼筋の疼痛,顎運動障害を主徴とし,顎機能だけではなく,
ときには全身的にもさまざまな障害をもたらす
症候群で,齲蝕,歯周疾患に次ぐ第三の歯科疾患といわれている.

 顎機能障害(顎関節症)は国際的に認知されている

TemporomandibularDisordersTMDに対する日本語疾患名であり,
わが国において最も一般的な疾患名であり 
日本顎関節学会の正式用語である 顎関節症 と同義である

日本顎関節学会は顎関節症を以下のように定義している

顎関節症とは,顎関節や咀嚼筋の疼痛,関節(雑)音,開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名であり,
その病態には咀嚼筋障害,関節包・靱帯障害,関節円板障害,変形性関節症などが含まれる」

アメリカ口腔顔面疼痛学会
AmericanAcademyofOrofacialPainAAOP)は
 
TMDを国際頭痛学会(InternationalHeadacheSociety)による頭痛,頭部神経痛,顔面痛の分類中に位置づけており,
顎関節については先天性障害や関節突起の骨折,筋においては新生物の形成などを含み,顎関節学会とは異なった疾患を分類に入れている

なお,顎機能には,咀嚼,嚥下や発音などの機能があるが,本ガイドラインで扱う顎機能障害はあくまでも

TMDに対応する症候群を意味し,ほかの疾患による咀嚼障害,嚥下障害および発音障害などは顎機能障害(顎関節症)の範疇には入れない. 3) 顎機能障害(顎関節症)の類似用語
顎機能障害の同義語には上述の
TMD
顎関節症のほかに顎機能異常
Temporomandibular Dysfunction)やCraniomandibularDisordersなどがあり,関連用語としては
MPD症候群(MyofascialPainDysfunctionSyndrome)および
顎関節内障(
InternalDerangementofTMJ)などがある.
顎機能異常はわが国の歯科補綴学領域を中心に,また
CraniomandibularDisordersは一時期欧米でよく用いられた用語である.
最近欧米では機能障害というよりは痛みを特に重視して
OrofacialPainという用語が頻繁に用いられるようになってきた.
これは
顎顔面を含む頭頸部のあらゆる痛みを対象とするものであり,顎機能障害や顎関節症などのように疾患(症候群)名とは捉え方が違う.わが国では顎関節症が顎関節学会の公式な用語として最も広く用いられているが,相当するTemporomandibular JointArthrosisは顎関節に症状の認められない筋症状主体の症型も含むこの症候群に対応していないことから,用語の再検討が求められている.関連用語のMPD症候群および顎関節内障は本症候群の一部の病態に対応する用語である.

顎機能障害(顎関節症)の病態

1) 主要症候
顎機能障害の主要症候としては顎関節雑音,顎関節や咀嚼筋など頭頸部筋の疼痛および下顎運動異常がある.

関節雑音
顎関節雑音としては,開口などの動作に伴って顎関節部でカクンあるいはコキンという音がするクリッキング
Clicking
ジャリジャリあるいはギジギジという音のクレピテーション
Crepitationがある.

疼痛
疼痛は開口や
.みしめ動作に伴う運動時痛が最も多く,圧痛がこれに次ぎ,自発痛は比較的少ない.
痛みの程度としては中程度以下の鈍痛であることが多く,強度の鋭痛であることはまれである.
また,痛みを訴える部位は顎関節や咬筋,側頭筋および外側翼突筋などの咀嚼筋が多いが,定位は必ずしも良くない.

下顎運動の異常
下顎運動の異常としては開口制限,片側の顆頭運動に制限がある場合にみられる切歯点における開閉口路の偏位などがある.

2) 随伴症状   (解説 咬合関連症とも呼ばれる)
顎機能障害患者では,
頭痛,首や肩の凝り,耳なり,難聴,目眩,舌痛,咬合の不安定感,手足のしびれ,自律神経失調症状など,
全身的にあるいは情動的にもさまざまな症状を訴えるものもいる.
これらの主要症候や随伴症状のなかには顎関節雑音や,下顎運動制限などのように客観的に評価できるものもあるが,
痛みをはじめとして多くは
患者の主観的な症状である.

3) 日本顎関節学会の顎関節症の症型分類
日本顎関節学会では顎関節症を,
1型:咀嚼筋障害,
2型:関節包・靱帯障害,
3型:関節円板障害
   
a:復位を伴うもの,
   
b:復位を伴わないもの,  
4型:変形性関節症,
その他:1〜4型に該当しないもの,
5つの症型に分類している(2001年改訂)
顎機能障害患者では複数の病態を持つ場合が多く,単一の症型に明確に分類することは必ずしも容易ではない.また,欧米では上述したように国際頭痛学会の分類に沿った分類が採用されており,わが国の分類との整合は得られていない.

顎機能障害の疫学
1) 患者数
顎機能障害に関する種々の疫学調査があるが,検査基準が同一ではないので比較は困難である.
一般の集団において4075% に他覚的に何らかの異常が認められ,その内 治療を必要とする割合は57%と推定される
また,病院歯科を訪れる顎機能障害患者の割合は施設によってバラツキがあるが,
おおむね初診患者の
10% 程度を占めるとみられる.

2) 年齢分布
病院を訪れる顎機能障害患者は
10歳代後半から2030歳代にピークをもち,
年齢が高くなるにつれて徐々に減少する一峰性の分布を示すという報告
や,
40歳代から50歳前後にもう1つのピークを持つ二峰性の分布を示すという報告 などがある.

2012年5月19日土曜日

メルクマニュアル家庭版, 156 章 肥満


肥満とは、過度の体脂肪が蓄積することです。

ほとんどの人にとって、太っているという状態はすぐにわかります。しかし医学的には「体重過多」と「肥満」は区別されます。体格指数(BMI)がこういった状態の定義に使用されます。BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値です。体重過多はBMI値25.1〜29.9、肥満はBMI値30以上と定義されます。

肥満の定義には、脂肪と筋肉の比率も考慮されます。体脂肪30%超の女性と体脂肪25%超の男性は肥満とみなされます(脂肪と筋肉を含む体の組成を参照)。したがって、ボディービルをやっているなど、非常に筋肉質で体脂肪が少ない人の場合は、BMI値が高くても肥満ではなく、健康上の危険はありません。

肥満は世界中で徐々に増加しています。米国では、肥満の増加は劇的です。1980〜1999年の間に、体重過多の人の比率は47%から61%に増え、肥満の比率は15%から26%に増えました。

肥満は男性より女性に多くみられます。その割合は年齢や人種によって異なります。たとえば、25歳での肥満の割合は約14%で、55歳では32%に増え、その後75歳では22%に減少します。また、黒人と白人の男性での肥満の割合は同程度ですが、ヒスパニック系男性ではやや高くなっています。一方、黒人とヒスパニック系の女性での肥満の割合は白人女性よりはるかに高く、黒人の中年女性の約67%が体重過多または肥満であるのに対し、白人の中年女性では45%となっています。

体格指数(BMI)の換算表

身長(cm)

体重(kg)

 

45.4

49.9

54.4

59

63.5

68.1

72.6

77.1

81.7

86.2

90.8

95.3

99.8

104.4

108.9

113.5

118

147

21 23 25 27 29 31 33 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54

150

20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 45 47 49 51 53

153

20 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51

155

19 21 23 25 26 28 30 32 34 36 38 40 42 43 45 47 49

158

2012年5月16日水曜日

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2012年5月15日火曜日

整体やカイロプラクティックなどの効果はあるのか:脊柱側弯症の治療と手術


もしご自分のお子さんが「脊柱側弯症です」と診断されたらあなたはどうしますか?

ご自分がその経験がある場合は別として、たいていの親はその聞きなれない病名 にあわてふためきます。

そしてどういう病気なのか、どうやれば治るのか、など必死に 調べると思います。

インターネットなどでこの病気を調べると、たくさんの答えが出て きます。

治療方法として「これで背骨の変形が治る」とうたって【治療】をしている 民間療法もたくさんあります。

たとえば、カイロプラクティック、整体療法、マッサージ、 気功、牽引などや、薬もいくつかあります。

2012年5月13日日曜日

サバイバーズ・ギルト - 仙台カウンセリング 仙台心理カウンセリング


 

心のエステ1 「サバイバーズ・ギルト」


◇災害時 「心のエステ」 にお役立て下さい。

 

●「サバイバーズ・ギルト(Survivor's guilt)」とは

戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら、奇跡の生還を遂げた人が、
周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対してしばしば感じる罪悪感のこと。

 

「サバイバー」(survivor)は「生き残り・生存者・遺族」を意味し、

「ギルト」(guilt)は「罪悪感」を意味する(英語)。

 


【被災者の「サバイバーズ・ギルト」を理解するために】

震災の被害を受けながらも命が助かった方は、
その幸運による罪悪感に苦しめられることがあります。
この罪悪感は「サバイバーズ・ギルト」と呼ばれます。

2012年5月11日金曜日

体重と体脂肪率:子供の肥満対策


肥満は概ね標準体重より20%以上体重が超過した段階で肥満と言います。

現在、成人においては、体重による肥満診断として、BMIが一般的に
用いられています。

日本肥満学会基準によると、BMIが、

17.9以下なら低体重(やせ気味)
18.0以上24.9以下なら正常
25.0以上29.9以下なら肥満度I
30.0以上34.9以下なら肥満度II
35.0以上39.9以下なら肥満度III
40.0以上なら肥満度IV

とされています。

2012年5月10日木曜日

うつ病を治せ!NHKの「薬だけに頼らぬ治療法:集団認知行動療法」って? - NAVER まとめ



□ゆううつで気分が沈む
□楽しいことをできない
□疲れやすく元気が出ない
□自信がなく、自分を責める
□集中できずイライラする
□夜中や早朝に目覚めて苦しい

上記が2週間以上続くと、うつ病の恐れ

2012年5月8日火曜日

不安・心配が止まらない|電話、メールカウンセリング【カウンセリングルーム佐世保】


     <カウンセリングルーム佐世保(九州 長崎県)でカウンセリング>

 

不安・モヤモヤ・イライラ感を改善する方法として書くことの大切さ

      を提案します。

 


 「不安」「モヤモヤ」や「イライラ」を歓迎してみる

不愉快な感覚は早く取り去りたいものですが、「不安」「モヤモヤ」や「イライラ」

のもとを探りたいときは、あえてスッキリしようとせずに、この不愉快な感覚を
大切なゲストのように歓迎して大事にします。ここでは、自分と対話する手法
の一つとしてジャーナリングをご紹介します。

 

神戸カウンセリングサービスさんから参照
 

ジャーナリング

自分の感じている気持ちを1枚の紙にただ書き連ねます。誰かに見せるもので
はありませんので、思うまま、感じるまま、頭をよぎることを書きます。特に、
連続性がなくてもさしつかえありません。頭の中を空っぽにするつもりで、想
いを紙の上に出し切ってみてください。「こんなこと思っていたのか!」と

自分でもびっくりするような気持ちやアイディアと出会うことがあります。

2012年5月7日月曜日

医学書院/週刊医学界新聞(第2870号 2010年03月08日)


第2870号 2010年3月8日


それで大丈夫?
ERに潜む落とし穴

【第1回】

循環器:虚血性心疾患

志賀隆
(Instructor of Surgery Harvard Medical School/MGH救急部)


 わが国の救急医学はめざましい発展を遂げてきました。しかし,まだ完全な状態には至っていません。救急車の受け入れの問題や受診行動の変容,病院勤務医の減少などからERで働く救急医が注目されています。また,臨床研修とともに救急部における臨床教育の必要性も認識されています。

 一見初期研修医が独立して診療可能にもみえる夜間外来には,患者の安全を脅かすさまざまな落とし穴があります。本連載では,奥深いERで注意すべき症例を紹介します。


 忙しい救急外来。昼食をとる間もなくめまぐるしく走り回る研修医のあなたは今日10人目の患者を診察しました。今日は主訴が胸痛の患者が多く5人目。胸痛患者へのアプローチはできていますか?

■Case

 49歳女性。主婦。3日前から労作時に胸部正中の胸痛が発生。胸痛は15分程度続き安静で軽快,冷や汗を伴う。既往に高血圧あり。深部静脈血栓の既往なし。血痰なし。来院時は胸痛はなし。血圧160/80mmHg,心拍数60/分,呼吸数12/分,SpO298%(RA)。診察にて胸腹部,四肢に異常を認めず。

 研修医のS医師は,「やっぱり心臓からだよな。よし,心電図でST上昇をまず否定。そしてトロポニンが陰性なら,胸痛もおさまっているし,帰宅させてもいいかな」と考えた。

■Question

Q1 心電図はいつまでにとればよいか?
A 来院から5分以内が望ましい。

 救急医療では問診,身体所見の前に救急のABCを確認することが大切であり,胸痛や脳卒中においては心電図や頭部CTを迅速に施行することも必要である。

2012年5月5日土曜日

Browse By Subject - Passing On "The Japanese Experience" - Library


第3章:砒素ミルク中毒事件

はじめに

 1955(昭和30)年6月から8月にかけて,近畿・中国・四国・九州など西日本一帯で,森永乳業株式会社徳島工場製の育児用調整粉乳,商品名=森永ドライミルクMF(以下MFミルク)の生産工程で砒素が混入し,乳児1万2,131名が中毒症状を呈し,うち130名が死亡した(1956<昭和31>年厚生省調).この悲惨な事件は,森永砒素ミルク中毒事件として,全国民に衝撃を与えた.
 財団法人ひかり協会によれば,26年後の1981(昭和56)年3月現在,1万3,389名のMFミルクの飲用が確認され,事件以後600名が死亡したほか,乳児期の砒素中毒による知恵遅れ,発育障害,脳性マヒ等による運動機能・言語・聴覚・視覚・心身障害など,重い後遺症に悩む624名を含む6,093名が,なんらかの後遺症を訴え,日常生活,労働,結婚その他のすべての面で 著しい制約のもとに生きることを余儀なくされている.
 この事件を,ただ単に乳児用人工栄養の大量生産方式の過失に帰すならば,課題の把握は十分ではない.母乳哺育が社会的背景・医療行政・小児医学界・医療機関の在りようと関連し,乳業資本による消費構造に組みこまれるなかで,この事件は生起したのである.

Ⅰ 消費構造に組みこまれた授乳

 戦後の公衆衛生行政は,GHQの「公衆衛生対策に関する覚書」に基づいて,1947(昭和22)年保健所法の全面改正のもとに,保健所を第一線として,戦前からの課題である母子衛生・結核対策を,その主な柱として展開された.
 戦前の日本は,一国の健康と社会の状況の指標となる乳児死亡率(図3-1)・青少年の結核死亡率の高いことを反映し,平均寿命の対欧米比較(表 3-1)において,大きく劣っていた.とくに子どもの体力・栄養・発育の源である妊婦の死亡率が高いことは,その社会的環境の劇的な表現(図3-2)であった.
 日本政府は,侵略戦争遂行に際し,人的資源対策を重視して,1936(昭和11)年厚生省を設立し,その改善を意図した.その際,1960(昭和35)年の人口目標を1億に設定し,幾つかの母子対策を樹立した.だがこれは戦争の激化によって満足に実施されることなく終わり,1945(昭和20)年連合国側に降伏の後は,母子対策・結核対策は,戦後の課題として残されたのである.
表3-1 平均寿命の国際比較[1929~1940(昭和4~15)年]
図3-1 各国の乳児死亡率[1901~1905(明治34~38)年,出生1,000について]
図3-2 出生・乳児死亡率・妊婦死亡率・死亡率推移
 1948(昭和23)年7月,空 前のベビーブームを背景に,人口対策を含む優性保護法が制定され,翌8月,妊産婦および乳幼児保健指導要領にもとづいて,戦前の課題を引き継ぐ新しい母子衛生対策が定められた.そして悪化した食糧事情のもとで,ユニセフ無糖粉乳などが配給された.また占領軍によって煉・粉乳が緊急放出され,1947(昭和22)年からアメリカの脱脂粉乳による学童給食が実施されていった.1949~50(昭和24~25)年のアメリカの経済恐慌に際し,余剰脱脂粉乳の輸入が強制され,これらの輸入品は国内の乳製品市場を圧迫しつつ,日本の乳製品食習慣を拡大していった.
 そして1949(昭和24)年から,育児衛生・育児教育の普及を目的として,厚生省・読売新聞社による"赤ちゃんコンクール"が,全国衛生行政組織を動員して実施された.それは前年3� �に出生の1歳児のうちから,市町村・保健所・都道府県ごとの検診・審査で男女各1名を選び,5月5日の子どもの日に,全国一・都道府県一を表彰するものであった.
 人間にとって,最もむつかしく,かつ危険な時期は生涯の初めである.新生児がこの危険を乗り越えるための基本的な条件は,十分に母乳が与えられるか否か,にある.母乳は蛋白質・脂質・糖質・無機質・微量元素・ビタミン類など,最もヒトの子の発育に適切な栄養組成をもつだけでなく,母親がかつて感染した無数に近い微生物に対する抗原が含まれ,さらにいろいろの非特異的な殺菌物質と,もろもろの微生物に対する抗体が含まれている.そして消化器系・呼吸器系感染,細菌・ウィルス血症から乳児を守るなど,強い感染防御能力をもつほか,異種蛋白の侵 入を阻止し,アレルギー性疾患をも防ぐ.人工栄養に,このすばらしい母乳の機能を与えることは不可能なのである.
 だが,人工栄養の浸透と乳児死亡率の低下が並行して起こっていることから,人工栄養の発達が,乳児死亡率低下の理由と誤解する向きもないではない.しかし,その主な理由は,抗生物質の開発によるもので,現在も人工栄養児の死亡は,母乳栄養児の死亡の数倍の割で起こっているのである.
 このように母乳は,新生児にかけがえのない最高の栄養を補給しつつ,新生児を感染から守るほか,幼い命と母の相互の働きかけによって,母と子の絆を確立する.そして,この母乳による哺育を軸として展開する母と子の関係こそ,まさに人間の尊厳を容易に,かつ効果的に獲得してゆく最も自然な方法なのであ る.
 母乳は,乳児の泣き声などの精神的刺激と,乳首を吸う際の刺激,いわゆる吸啜(せつ)刺激によって分泌される.出産時,母乳は分泌準備状態にあり,新生児の吸う力が弱いことと重なり,しばらくは十分に分泌されない.新生児の体重が出産時より減少する生理的な体重減は,普通のことである.
 この乳児に人工乳を与えると,瓶の乳首から乳汁がほとばしり,乳児は楽に満足できる.このため乳児は瓶をほしがり,母の乳首を本気で吸わなくなる.病・産院でも授乳指導はさて措いて,人工乳で太らせ,1日も早く送り出し,つぎの分娩を扱えば営業成績もあがる.
 また病・産院の新生児管理は,母子別室が多く,乳児が泣くと口封じに人工乳を与える.しかも人工栄養児は生理的体重減もなく,かた肥えの母乳栄� ��児よりも健康そうに見える.コンクールで入選したまるまると太った赤ちゃんの宣伝写真は,母親を母乳から人工乳に傾斜させてゆく.
 こうして小児医学界の権威歴々の推薦と,病・産院,小児科・産科医を動員した人工乳の包囲網は,赤ちゃんコンクールによって,母たちを積極的な人工乳の受容に向かわせた.1951(昭和26)年,森永乳業が開始した8カ月児のベビーコンクールは,乳業資本が赤ちゃんコンクールによって利益を享受していたことを表現していたといえるだろう.1953(昭和28)年以降のNHKテレビの赤ちゃんコンクール(関東圏)は,人工乳受容の度合の高さを示していた.そしてこれらは,さらに母乳の駆逐をおし進めていった.
 また戦後復興による婦人就業者の増加(表3-2)は,哺育制度の貧困なわが国において,� �便な人工乳の浸透に一層の拍車をかけた.1920年代,混合栄養を合わせて10%にすぎなかった人工栄養児は,1970年代に70%にも達するのである.
表3-2 就業状態及び性別人口数[1947~1956(昭和22~31)年]

Ⅱ 調整粉乳の生産拡大と森永乳業

2012年5月3日木曜日

はぐれ針灸学:So-netブログ


 運動後の遅発性筋痛や疲労の予防・低減を目的に、多くの方法が試みられます。中でも、冷水浸漬(15℃以下)は最も一般的な方法の1つです。

 この研究は、遅発性筋痛に対する冷水バスの予防効果を研究した文献を、コクランボーンより検索(17件の小規模な研究, 計366名)して調査したものです。

〔the Cochrane Bone, Joint and Muscle Trauma Group Specialised Register, the Cochrane Central Register of Controlled Trials (The Cochrane Library (2010, Issue 1), MEDLINE, EMBASE, Cumulative Index to Nursing and Allied Health (CINAHL), British Nursing Index and archive (BNI), and the Physiotherapy Evidence Database (PEDro)〕

 しかしながら、検索した研究の質は低いようです。研究によって冷水の温度、時間および頻度などの条件が異なっており、大半の研究は、事前に定義された有害事象の能動的サーベイランスが報告されていません。

2012年5月1日火曜日

Herbalife Weight Loss Product


Herbalife Weight Loss Product: How to Weigh in With Lower Fat

Genetics does play a role in obesity, of course, but not as big a role as you do. Most health experts say that the concept of genes compelling you to be heavy is a myth.

For the vast majority of us, genes may set the lower limits of our weight, but we set the upper limits by our food choices.

Nonetheless, we all know that most of us tend to put on weight as we age. In addition, if there is one thing we cannot prevent, it is the aging process. But we can prevent eating more and exercising less as we get older. And first of all, you have to have surgeries for food control in your life, strategies that work.